よくあるご質問

在留資格関連業務

question 日本で生まれた子供の手続きについて教えて下さい。
answer 両親の一方が日本人である場合は、生まれた子供は日本国籍を有するので在留手続は不要です。
一方、両親とも外国人である場合は、生まれた子供は日本国籍を有しないので、日本に在留するためには在留資格を取得するための手続をとる必要があります(ただし、出生した日から60日以内に日本から出国する場合は、取得手続は必要ありません。60日までは適法に在留することができます)。
具体的な手続は次の通りです。

(1.)出生した日から14日以内に、居住地の市区町村役所に出生の届出をします。
(2.)子供の国籍の属する国の駐日大使館または領事館に出生の届出をして、パスポートを発給してもらいます。
(3.)出生した日から30日以内に、居住地を管轄する地方入国管理局・支局・出張所に、在留資格取得の申請を行います。
(4.)出生した日から60日以内に、居住地の市区町村役所に外国人登録の申請をします。

但し、平成24年7月9日より外国人登録法は廃止され新制度に変わりますので、外国人登録の申請は必要ありません。
新制度では、出生届が提出されると、住所地において「出生による経過滞在者」として住民票が作成されることになります。なお、子供に付与される在留資格と在留期間は、親の在留資格と在留期間に応じて決定されます。
question 在留期間を延長したいのですが・・・。
answer 現在許可されている在留期間を延長するには、在留期間の更新を申請して、更新の許可を受けなければなりません。
在留期間の更新は、在留期限の到来する前に(1ヶ月前から10日ぐらい前までが望ましい)居住地の近くの地方入国管理局・支局・出張所に出頭して行います。
申請は、本人が行うのが原則ですが、特定の場合、例えば本人が16歳未満の場合は、家族による代理申請が認められます。
また、自分の勤めている会社や所属している団体等、および、あらかじめ所定の手続により地方入国管理局長に届け出た行政書士・弁護士による申請取次ぎが認められています。
なお、在留期間の更新の申請は、現に付与されている期間と同じ期間の更新を申請するのが一般的ですが、それよりも長い期間を許可してもらいたいときは、その希望を申請の窓口で申し出ることができます(希望が必ず通るわけではなく、伸長してもらえないこともあります)。
question 在留資格を変更したいのですが・・・。
answer 在留資格の変更を希望する場合は、地方入国管理局・支局・出張所に在留資格の変更を申請することができます。
在留資格変更の申請は、在留期間内であればいつでもできます。
在留資格変更の許可を受ける前に、新しい在留資格に属する活動を始めた場合、資格外活動として違反を問われることがありますので、在留資格変更の許可を受けてから新しい活動を行なってください。
question 日本人と結婚すれば無条件で在留資格がもらえますか?
answer 結婚すれば夫婦が同居するのは当然ですので、外国人が日本人と結婚して日本に住むことを希望すれば、日本への上陸・在留は認められるのが原則です。
したがって、日本人の配偶者として上陸しようとする場合は、「日本人の配偶者等」の在留資格が与えられます。
また、日本に在留中に日本人と結婚すれば、在留資格を「日本人の配偶者等」に変更してもらい、引き続き在留することができます。
在留資格の変更は、真正の夫婦であれば何ら問題なく容易に許可を受けることができます。
しかし、長期在留できる在留資格を得るための偽装結婚ではないかと疑われる場合には、簡単には許可されず、かなり厳重な審査が行われます。
なお、不法滞在者が日本人と結婚しても退去強制手続を免れることはできませんが、日本人の配偶者がいることは、退去強制手続、特に法務大臣の裁決にあたって、有利な情状のひとつになります。
しかし、日本人と結婚していれば必ず法務大臣の在留特別許可が得られるものではなくあくまでも法務大臣の裁量に基づく特例措置であるということも、承知しておく必要があります。
question 中華料理店を経営してますが、忙しくなったので、中国人調理師を上海から呼びたいと思っています。どのような経歴の人を呼べば良いのでしょうか?
answer 入管法上、就労が認められる調理師は、10年以上の実務経験が必要とされています。
また、調理師を受け入れる店も、「外国において考案され我が国において特殊なものについて営業する専門店」を対象にしています。
したがって、中華料理店といっても、例えばラーメンと餃子がメインの店では入管の許可を得ることは難しいと思います。
万一そうであれば、今後、中華料理専門店としての特色を出すことを検討する必要があるでしょう。
question 外国人を雇用しようと考えているのですが可能でしょうか?
answer その場合、就労を認められる外国人と就労が認められない外国人とがあるので、パスポート、外国人登録証明書(在留カード、特別永住者証明書)、就労資格証明書などによって、就労できる外国人かどうかを確認することが重要です。
不法就労となる外国人を雇った雇用主は処罰(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)されますので、適法な在留の資格を持っている外国人を雇用するように十分注意してください。
question 社員の語学研修のためにアメリカ人教師を呼びたいと考えていますが、学校でもない一企業が外国人教師を招聘することはできるのでしょうか?
answer 企業が社員教育のために、語学研修の講師として外国人を雇用することはできます。
その場合の在留資格は「人文知識・国際業務」になります。
外国人教師の経歴要件としては、語学の指導に関連する業務に3年以上の実務経験を有するか、または、大学を卒業していることが必要です。
また、報酬額については、日本人と同等以上の支給を受けることが条件となっています。
question 「家族滞在」の在留資格では就労できないと聞いてますが、アルバイトもだめですか?
answer 「家族滞在」という在留資格は、原則として就労することは入管法上禁止されています。
しかし、「家族滞在」の在留資格であっても「資格外活動許可申請」をして、許可を得て就労することができます。
従来は留学生がこの許可を得てアルバイトをしていましたが、現在では外国人の方の奥さんなども、この「資格外活動」の許可を得てアルバイトをしている方が多数います。
留学生と同様に、週28時間以内であれば、特別な技能等を必要としないアルバイトができます。
ただし、収入があまり多くなると、在留資格に影響が生じたり、また、税金面などでも問題が生じることもありますので、働く時間や報酬についてご注意ください。
question 「短期滞在」の延長はできますか。
延長が認められなければ他の在留資格に変更したいのですが。
answer 「短期滞在」という在留資格は、日本に短期間滞在して仕事の打ち合わせをしたり、観光、親族の訪問などのために日本に入国する人々の便宜を図り、人的交流を円滑にするためのものです。
この趣旨から、現在多くの国が日本との間で査証免除協定を結んでいます。
したがって、長期間日本に滞在したい場合は、一度帰国して、他の在留資格を取得して出直してくるのが、正式な方法です。
しかし、滞在中に、人道上やむを得ないような事由が発生したり、または延長する正当な理由がある場合には、延長してもらうことは不可能というわけではありませんが、難しいケースが多いようです。
また、「短期滞在」から他の在留資格への変更については、入管法では「やむを得ない特別の事情」に基づくものでなければ許可しない、とされています。
この場合の「やむを得ない特別の事情」とは、例えば「短期滞在」の資格で滞在中の外国人が日本人や永住者と結婚した場合や、大学受験のために入国した外国人が試験に合格して留学生として在留を希望する場合などです。
なお、万一、延長や変更ができなかったからといって、不法滞在だけは絶対に避けてください。
一度これで退去強制になると5年間または10年間日本へは上陸できなくなります。
question 日本で会社経営を始めるにはどのような手続きが必要ですか?
answer 外国人が自ら出資して会社経営を行う場合は、「投資・経営」の在留資格を取得しなければなりません。
この在留資格が許可されるためには、

(1.)相当額の出資をすること(500万円以上)、
(2.)事業所(事務所または店舗)を設置すること、
(3.)2人以上の日本に居住する日本人等の常勤の従業員を雇用すること、

以上3つの要件を全て充たすことが必要です。
1つでも欠ければ不許可の原因になります。
申請にあたっては、事業計画書などの事業内容を明らかにする資料、従業員数や賃金の支払いを明らかにする資料、事業所の概要を明らかにする資料などが必要です。
さらに、事業内容によっては、「営業許可」をあらかじめ得ておく必要もあります。
このように、手続をする上で色々と細かい配慮が必要となりますので、失敗しないためにも専門家のアドバイスを受けた方がよいと考えます。

永住許可申請関連業務

question 許可までにかかる費用と時間はどれくらいですか?
answer 「永住」の在留資格申請の許可が得られるまでの期間はおよそ6ヶ月です。
これは他の在留資格の場合(およそ1ヶ月03ヶ月)と比べ長いといえます。
これは、永住許可申請の件数が非常に多いこと、「永住」の審査なので慎重に審査せざるを得ないからと思われます。
永住許可申請の際入管に納める手数料は8000円です。
「帰化」の許可申請の許可が得られるまでの期間はおよそ1年あるいはそれ以上かかることもあります。
それは、法務局の係官の人数が限られている上、提出された数多くの書類に基づいて各種の調査をしなければならないからです。
帰化許可申請の際法務局に納める費用はかかりません。
さぞかし費用がかかるのではと思いがちですが、許可不許可にかかわらず無料なのです。
question 交通違反で何度か捕まったことがあるのですが帰化申請は可能ですか?
answer 帰化の要件に「素行が善良であること」というのがあります。
素行が善良であるかどうかということは、判断の難しい表現で、最終的には法務大臣の裁量に委ねられます。
したがって、交通違反が何回までなら許可され、何回以上なら不許可になるとは決められておりません。
ただ、交通違反や納めるべき税金を納めていないなど、日本の法令に違反した事実がありますと、明らかにマイナスのポイントになります。
さらにそうした事実を隠そうとして履歴書に記載しなかった場合には、一層不利になります。
帰化の審査では、車の運転なども対象となりますので、車を運転する際には、十分注意してください。
法令の遵守を心がけて日常生活を送ることが必要かと思います。
question 独身女性は、帰化が取りにくいと聞いてますが、本当でしょうか?
answer 一時期、未婚の女性は、帰化が難しいとの噂はあったようですが、そうした事実はありません。
もし、独身女性の帰化が不許可になる場合が多いというのであれば、それは何か帰化の要件に欠ける点があるからではないでしょうか。
例えば、女性の場合、収入が少ないことなどが問題になるかも知れません。
帰化の基本的な要件である、在日歴5年、20歳以上、生活の安定、素行の善良などをクリアしているのであれば、心配せずに申請されることをお勧めします。
question 帰化申請と永住許可はどちらがいいですか?
answer まず、帰化と永住の違いについて説明します。
「帰化」というのは、自国の国籍を捨てて、日本国籍を取得する(日本人になる)ことです。
したがって、パスポートは日本のものとなり、参政権も取得できます。
帰化許可の申請は原則として家族全員で申請することになります。

次に、「永住」というのは「人文知識・国際業務」や「投資・経営」などの在留資格と異なり、在留活動や在留期間に制限がなくなり、自由に活動できます。
しかし、制限がないといっても、帰化とは異なり外国人であることには変わりなく、在留カードの所持・更新や再入国許可は必要であり(但し、新制度では1年以内に再入国する場合は、原則不要)、退去強制事由に該当すれば当然退去を強制されます。
また、参政権もありません。
永住許可の申請は、家族別々に申請することも可能です。

以上のような違いがありますが、一概にどちらが良いとは言えません。
人それぞれではないでしょうか。
もし、自分の国籍を捨てるということに抵抗を感じるようであれば、永住の許可申請をされれば良いと思います。
question 中国国籍の夫と離婚し、2歳になる子供は中国の両親に預けて、現在日本の会社に勤務しております。永住の資格は取れますか?
answer 離婚されたとのことですが、永住の許可は、個々に取得することができますので、永住の期間に関する要件がクリアされており、生活が安定していれば、特に問題はないでしょう。
ただし、永住の要件には、「素行が善良であること」という項目がありますので、日本の法令に違反しないよう気を付けてください。
中国の両親に預けている2歳のお子さんについては、本来は家族全員で申請するのが望ましいのですが、永住許可申請は1人でも出来ますので、そのままでも良いと思います。
question 来日して10年、就職して5年になりますが、この5年のうち最初の1年は「留学」の資格でアルバイトとして仕事をしていました。永住申請できますか?
answer 一見、来日して10年以上、就職して5年以上ということで、永住の期間に関する要件はクリアしているように思われます。
しかし、就職して5年以上というのは、継続して5年以上就労資格を取得していることが条件であり、この期間中に他の在留資格、例えば「留学」などが含まれると、その期間は含めないでカウントしますので、1年不足しているということになります。
したがって、1年後に永住許可申請されたほうが良いでしょう。
question 現在の在留資格から「永住者」への在留資格変更の申請は、
現在の在留資格の期間更新時にすればよいのでしょうか?
answer 「永住者」への在留資格の変更許可申請は、現在の在留資格の在留期間中であればいつでもできます。
ただし、在留期間更新時に永住許可申請をする場合、残りの在留期間があまりありません。
永住許可の審査は、現在取得している在留資格を基準として行うので、先に「在留期間更新」をしてから永住許可申請をするようにしてください。
永住許可申請をしても、結果がでるまで現在の在留資格の期間が切れてしまいそうな場合には必ず「在留期間更新」をするようお願いします。
在留期間が切れてしまい不法残留者とならぬよう注意してください。
question 永住の資格を取ると、どんなメリットがありますか?
answer 永住者のメリットとしては、次の5つのことが言えるでしょう。

(1.)国籍を変えることなく日本で安定的な生活を送ることができます。
(2.)面倒な在留期間の更新手続がなくなります。
(3.)在留活動に制限がなくなりますので、日本人と同様にどんな職業にも就くことができます。
もちろん、会社を経営することもできます。
(4.)配偶者と死別あるいは離婚した場合、「日本人の配偶者等」の在留資格の方は、在留資格を変更しなければなりませんが、「永住者」の在留資格の方は在留資格に影響はありませんので、そのような手続は全く必要ありません。
(5.)「永住者」の在留資格を取得しているということは、日本に定着している証となりますので、社会的信用を得られます。そのため、公的な住宅ローンを組むこともできますし、金融機関からの融資も受けやすくなります。

相続関連業務

question いったい相続財産がどのくらいあるのかわかりません。
answer 円満に相続が行われるには、相続財産に何があるのか、その評価はどのくらいなのか、借金等の負債はないかなどの調査が必要不可欠です。
被相続人がどのような財産を持っていたかは、一緒に暮らしていてもわからない場合もありますし、ましてや離れて暮らしていればわからない場合が多いでしょう。
相続は、不動産、預貯金、現金、有価証券等のプラスの財産だけではなく、借金、保証債務等のマイナスの財産も相続するのが原則です。
相続人が相続の開始を知って、何ら法律的な手続をしないまま(何もしないのが普通ですが)3ヶ月が過ぎてしまいますと、法定相続分どおり相続したものと扱われます(「単純承認」と言います)。
被相続人が大きな負債を抱えていた場合でも、否応なく相続しなければならなりません。
マイナスの財産の方がおおければ「相続放棄」をすることもできますし、プラスの財産もマイナスの財産もあるという場合には、プラスの財産の限度で相続するという方法(「限定承認」と言います)を取ることもできます。
いずれにせよ、相続が開始したら、まずは相続財産の調査をし、その財産の大まかな評価をして、できればそれを一覧表にするとよいでしょう。
question 相続はいつから始まるのでしょうか?
answer 民法882条は、「相続は、死亡によって開始する。」としています。
すなわち、病死であろうと事故死であろうと、死亡の事実が発生すれば、相続は自動的に起こるのです。
遺産分割や名義変更などは事後的なことであり、相続そのものは被相続人の死亡によって一瞬にして成立するということです。
question 相続手続きの始め方はどうすればよいのでしょうか?
answer 相続が開始したからといって、葬儀を行う前にいきなり遺産分割の話し合いなどできるものではありません。
一般的には、四十九日法要の時など相続人が集まった場合に、遺産分割のついての話し合い(「遺産分割協議」と言います)を始めるケースが多いようです
(相続財産の調査が終わっていることが前提です)。
遺言書があれば、その内容に従って相続することになります。
遺言書がなければ、遺産分割協議で誰にどの財産を相続するかを具体的に決めます。
遺産分割協議の開始は、相続人であれば誰から声をかけてもよいし、誰が協議の進行役を務めるかも自由です。
話し合いがまとまったら遺産分割協議書を作成します。
これは、後になって協議内容について異議を唱えたり、もめたりするのを防止するためと、不動産の相続登記のときの添付書類としても必要だからです。
遺産分割協議書には、各自が署名し、実印を押して、印鑑証明書を添付します。
question 相続放棄の手続について教えてください。
answer 相続放棄とは、プラスの財産よりマイナスの財産の方が多いなどの場合に、相続人が相続を全面的に拒否することです。
相続放棄の手続は、自分が相続人であることを知った時から3ヶ月以内に、家庭裁判所に申述する方法によっておこないます(家庭裁判所に相続放棄申述書があります)。
その後、家庭裁判所から呼び出しがきますので、裁判官の前でその申述が本心ででたものであることを述べるだけで済みます。
相続放棄は、全相続人が共同で行う必要はなく、1人でも、また数人が共同で行うこともできます。
なお、相続放棄をした者は、その相続に関しては初めから相続人ではなかったとみなされますので、相続放棄をした者の子が、代襲相続することはできません。
question 限定承認の手続について教えてください。
answer 限定承認とは、相続人がプラスの相続財産の限度においての借金等の債務を負担する相続方法です。
債務がどのくらいあるのかはっきりしない場合には、限定承認するとよいでしょう。
限定承認の手続は、自分が相続人であることを知った時から3ヶ月以内に、財産目録を作って、家庭裁判所に限定承認の申述をします。
限定承認は、相続放棄と異なり、相続人が複数の場合には相続人全員でしなければなりません。
question 代襲相続とは何ですか?
answer 被相続人より先に相続人である子が死亡していた場合には、その死亡していた子の子(被相続人の孫)が相続することになります。
これを「代襲相続」といいます。
被相続人に子やそれより下の世代(「直系卑属」と言います)がいる限りは、代襲相続が次々と認められます。
例えば、孫も死亡していた場合には、その孫の子、すなわち被相続人のひ孫が代襲相続することになります。
代襲相続は、相続欠格や相続廃除によって相続権を失った場合も認められますが、相続放棄によって相続権を失った場合には認められません。
また、代襲相続は、被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合にも認められています。
ただし、直系卑属の場合と異なり、兄弟姉妹の子(被相続人の甥や姪)は代襲相続することができますが、兄弟姉妹の子の子には代襲相続は認められていませんので注意が必要です。
question 相続欠格とは何ですか?
answer 被相続人が死亡すれば相続人になれる地位にいる者を推定相続人といいますが、推定相続人は必ず相続人になれるわけではありません。
民法では、相続人の地位を剥奪する制度を2つ規定しています。
一つは「相続欠格」であり、もう一つは「相続廃除」です。
相続欠格とは、相続に関し不正な利益を得ようとして不法な行為をした推定相続人について、法律上当然に相続人としての資格を剥奪する制度のことです。
相続欠格となるのは、次の5つの場合です。

(1.)故意に被相続人または先順位もしくは同順位にある相続人を死亡するに至らせ、または至らせようとしたために刑に処せられた者。
例えば、財産欲しさのために、親を殺した者あるいは殺そうとした者は相続権を失うということです。
殺人の故意が要件となっていますので、過失により死亡させた場合(例えば交通事故)や傷害致死の場合は該当しません。
(2.)被相続人が殺されたことを知って、これを告訴、告発しなかった者。
ただし、告訴・告発のできない者およびできにくい者、すなわち、判断能力のない者や、犯人の配偶者または直系血族にある者は除かれます。
(3.)詐欺、強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、これを取り消し、またはこれを変更することを妨げた者。
(4.)詐欺、強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、または取り消させ、あるいは変更をさせた者。
(5.)相続に関する被相続人の遺言書を偽造、変造、破棄、隠匿した者。これらの欠格事由に該当すると、なんら手続きがなくても、相続権を失います。

ただし、相続欠格の効果は、その本人に限られますので、欠格者の子は代襲相続をすることができます。
question 相続廃除とは何ですか?
answer 相続廃除とは、被相続人の意思によって相続権を奪う制度のことです。
廃除の対象となるのは、遺留分を有する推定相続人です。
遺留分を有しない兄弟姉妹は遺言によって相続させないことができますので、廃除の手続は必要でなく対象とはなりません。廃除は、

(1.)被相続人に対して虐待をし、もしくは重大な侮辱を加えたとき、
(2.)その他のいちじるしい非行があったとき、

のどちらかにあてはまる場合にだけできます。
廃除は、被相続人が自由勝手にできるものではありません。
また、この2つにあてはまるかどうかも、被相続人が決めるのではなく、被相続人が家庭裁判所に廃除の申し立てをして、審判により行うこととしています。
廃除の申し立てを受けた家庭裁判所は、申し立て人の一方的な言い分のみで廃除を認めるのではなく、相手方の言い分も聞いて、公平な判断をします。
審判で廃除が認められますと、廃除された推定相続人は、遺留分の権利を含む相続権を完全に失うことになります。
しかし、その者に子がいれば、その子が代襲相続できることは、相続欠格の場合と同様です。
また、被相続人が生きている間に廃除の申し立てをすると、また虐待されるおそれがある場合もありますので、法は、廃除の申し立ては遺言によってもすることを認めています。
この場合は、遺言執行者が家庭裁判所に遺言に基づく相続人廃除の申し立てをすることになります。
廃除後に、被相続人の気持ちが変われば、廃除の取り消しを家庭裁判所に請求することができます。
この取り消しは遺言によっても行うことができます。
家庭裁判所の審判により廃除が取り消されますと、相続権は復活します。

遺言関連業務

question 遺言書作成するメリットは?
answer 多くの人は、相続の実際は、民法で定められた法定相続人が民法の定める割合(法定相続分)を基準に行われているので、相続は法定相続が原則であると思っているようです。
しかし民法は、遺言相続を優先させています。
あくまで遺言者の意思を尊重する立場をとっているのです。
したがって、例えば、遺産を全部妻にあげたい、家業を継ぐ長男に店舗を残したい、など自分の財産の処分方法を自分の自由意思で決めることができます。
また、世話になった人(法定相続人以外の人)にいくらか遺産をあげたい、福祉事業に寄付をしたい、など遺言しない限り実現できないことも遺言すればその通りにできるのです。
「遺留分」という制約はありますが、自分の財産の処分方法を自分の自由意思で決めることができるということが、遺言書作成のメリットの1つです。
また、最近では、相続争いの予防のために遺言書を作成される方が増えています。
question 我が家は仲がいいので遺言書など必要ないと思うのですが、やはり必要でしょうか?
answer 2010年度の家庭裁判所での相続関連の相談件数は、約17万7000件と10年前の約2倍です。
これは年間死亡者数の約15%にも達します。
裁判所に相談するのは深刻化したものですから、水面下ではその数倍の相続争いが起きている可能性が高いといえます。
長引く不況による所得の低下や失業などのために、子が親の遺産をあてにするという傾向が強くなり、そのため遺産分割のトラブルが増加するといった現象があるのでしょう。
ある弁護士さんの話では、たった100万円のために調停で兄弟が罵り合うことがあったそうです。
こうなってしまっては、裁判所で決着しても、後の親戚づきあいはできません。
家族が仲の良いことはすばらしいことです。
その仲の良い関係をご自身が亡くなられた後も続くように、自分の考えや家族への思いを託した遺言書を作成してみてはいかがでしょうか。
仲の良い家族を信じる信じないということではなく、自分の愛する仲の良い家族への思いやりとして遺言書を作成するのです。
question 遺留分とは何ですか?
answer 例えば、遺産の全部をどこかの施設の寄付してしまったら、残された家族のこれからの生活は不安だらけのものとなるでしょう。
また、複数いる相続人のうちの1人だけに全ての財産を相続させたら、他の相続人は1円ももらえずに不公平な結果となります。
そこで、民法は、相続人の生活保障や共同相続人間の公平な相続を図るために、相続財産の一部を相続人に残しておくという「遺留分」の制度を設けています。
遺留分というのは、一定の相続人に必ず残しておくべき一定の相続財産の割合のことです。
相続人のために残しておくべき遺留分は、次の通りです。

(1.)相続人が配偶者や子の場合は2分の1。
(2.)相続人が父母などの直系尊属の場合は3分の1。

相続人が兄弟姉妹の場合には遺留分はありません。
遺言による相続は法定相続に優先しますが、遺留分という大きな制約があるのです。
question 自筆証書遺言を作成するときに、注意すべき点があれば教えてください。
answer 自筆証書遺言の作成において、注意すべき点は次の4つです。

(1.)全部を自筆で書く。
すなわち、内容は全部自分で書くということです。
パソコンのワープロソフトで作成したものはダメです。
コピーも(自分で書いたものをコピーしたものでも)ダメです。

(2.)作成日付を書く。
自筆で内容を書いた後に、日付も自筆で書くということです。
1日で出来上がればその日、出来上がるまで数日あるいは数ヶ月費やした場合は出来上がった日でよいでしょう。
なお、先付(将来の日を書く)や後日付(過去の遡った日を書く)は無効であるという学説もありますが、現実には通用しています。
先付だったなどということは、その日以前に死亡しない限り分からないからです。
ただし、日付の記載はとても重要なことであるということは認識しておきましょう。なぜなら、遺言が2つ出てきた場合、後の日付のものが有効とされるからです。

(3.)署名をする。
ペンネームや芸名でも構いませんが、要するに自分の氏名(氏と名の両方)を書くということです。
もちろん自筆です。

(4.)印を押す。
印は認印でも大丈夫です。実印ならなおいいでしょう。
氏名の自署に続いて押すというのが一般的です。
なお、氏名と押印は末尾でなく他の箇所、例えば、冒頭でも有効です。

以上の4つに注意して作成すれば、形式上無効とされることはありません。
その他の注意すべき点としては、訂正方法も民法で定められており(民法968条2項)、この方法に従わない訂正は認められず、遺言は無効になりますので注意しましょう。書き損じた場合は、面倒でも新たに書き直すことをおすすめします。
question 夫婦で遺言を作ることは出来ますか?
answer 民法975条は「遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。」(共同遺言の禁止)と定めています。
遺言では本人の真意が大切です。
夫婦であっても一緒に遺言をすれば、互いに真意を拘束されて不本意なこともありえます。
また、遺言は自由に撤回(取消し)できるものですが、共同遺言では一人が勝手に取り消したのでは問題が生じますし、かといって取り消せないのでは遺言者の最終意思を尊重するために認められている遺言撤回の自由が無になってしまいます。
これらの理由で共同遺言は禁止されているのです。したがって、作成しても無効となります。
仲の良い夫婦だから有効だろうというわけにはいかないのです。
ただし、別々の自筆証書遺言が1つの封筒に入れてあった場合や同一用紙であってもそれぞれの部分が自筆証書遺言の要件を備えている場合には共同遺言とは言えませんので有効です。
1つの遺言内容を2人で作成すると無効になるということです。
question 遺言書を発見したらどうすればよいのですか?
answer 相続人が遺言書を発見したとき(保管者がいる場合は、保管者が相続の開始を知ったとき)は、すぐに遺言書を家庭裁判所に提出して、「検認」を請求しなければなりません(ただし、公正証書遺言は例外で検認の必要はありません)。
検認の請求を怠った場合、過料の罰則がありますので注意してください。
ただし、検認を受けなかったとしても遺言書は無効になるわけではありません。
検認は、遺言書の状態を明確にし、保存を確実にするための手続きとして要求されているのです。
次に、封印のある遺言書は、家庭裁判所において、相続人またはその代理人の立会いのもとでしなければなりません。
勝手に開封しても、遺言書が無効になるわけではありませんが、この違反についても過料の罰則がありますので注意をしてください。
question 遺産分割後に遺言書がみつかった場合はどうなりますか?
answer 遺言者の最終意思は尊重されなければなりません。
民法が法定相続よりも遺言相続を優先しているのはこのためです。
したがって、遺産分割協議後に遺言書が出てきた場合は、遺言に反する協議の部分は原則無効となります。
しかし、相続人全員が協議通りの遺産分けでよいと合意すれば、遺言の内容と異なる遺産分割協議も有効になります。
実際に遺産を活用するのは相続人であり、また、相続人は遺言を拒否する自由もありますので、全員が納得すれば、遺言者の意思よりも相続人の意思を優先させるべきだからです。
ただし、相続人の1人でも異論を唱えた場合には、再分割の協議が必要となります。

その他のご質問

question 留学生として日本に来たばかりですが、
住む家を探すにはどうすればよいのでしょうか?
answer 日本でアパートなどの住宅を借りる方法としては、まず、学校の留学生担当(相談)窓口に相談されると良いでしょう。
そこは、留学生の日本での生活の相談やアドバイスを行うところです。
住宅探しで、注意する点や、どのような種類の住宅があるかなどをアドバイスしてくれます。
民間の住宅を探すときは、不動産会社を利用すると便利です。
住みたい場所、希望する部屋の広さや家賃などを言えば希望にあった住宅を紹介してくれます。
ただ、住宅の専門用語は難しいと感じるかもしれませんので、できれば日本人の知り合いに一緒に行ってもらうのがよいでしょう。
また、近年、留学生などの外国人向けの不動産情報を提供するサイトが増えています。
こちらを利用してみてもよいでしょう。
なお、住宅を借りる場合には、連帯保証人が必要になりますが、連帯保証人になってくれる人がいないときは、留学生住宅総合補償という保険に入れば、学校や学校の事務局長などに連帯保証人になってもらうことができます。
question 在留資格「家族滞在」の外国人ですが、アルバイト収入と税金や
社会保険の関係について、詳しく説明してください。
answer 「家族滞在」の在留資格の外国人で資格外活動許可を得ている方は、週28時間まで働くことができます。
この28時間は残業時間も含みます。
「家族滞在」の在留資格は、就労できる在留資格の外国人(例えば、「夫」とします)に扶養される者(例えば、「妻」とします)に付与されますが、妻に収入がなければ、妻は税金や社会保険料を支払う必要はありません。
しかし、アルバイトをして、年収が100万円を超えると住民税がかかります。
また、年収が103万円を超えると所得税がかかり、夫の配偶者控除が受けられなくなります。
また、年収が130万円を超えると、健康保険と厚生年金保険の扶養家族から外れることになりますので、妻は夫の健康保険を利用することができなくなります。
妻がアルバイト先で健康保険と厚生年金保険に加入できなければ、自分で国民健康保険と国民年金に加入しなければなりません。
このように、妻の年収が一定額を超えると、住民税や所得税がかかったり、健康保険や年金の取り扱いが変わりますので注意してください。
そのため、外国人に限らず日本人も、夫の配偶者控除を受けるために、年収103万円未満で働くように勤務時間を調整している人が多いようです。
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